
理想の一膳を見つけるために
いくつもある輪島箸の中から、ご自身にとって心地よい一膳を選んでいただけるよう、
それぞれの箸の違いと使われている主な技法を紹介します。
輪島箸の3つの違い
輪島箸には、製法や使用する材料の違いによって、特徴の異なる3つのタイプがあります。
普段使いから贈り物まで、ご用途に合わせてお選びいただけるよう、それぞれの特長をまとめました。
わじま箸
普段使い・気軽なお土産に
輪島市内で製造され、漆は使用せず、合成樹脂塗料で仕上げた木製のお箸です。
軽く扱いやすく、お手入れもしやすいため、日常使いに適しています。
価格も比較的手に取りやすく、観光のお土産やご自宅用としておすすめです。
輪島うるし箸
漆の心地よさを、手軽に楽しみたい方に
輪島市内で製造。地の粉は使用せず、工程の一部に合成樹脂塗料を併用しています。
中塗り・上塗りには天然漆を使用し、漆ならではのやさしい手触りを楽しめます。
「初めての漆箸」として、使いやすさと上質感のバランスを重視した一本です。
輪島塗箸
正統派・一生もの・贈り物に
輪島商工協同組合の製造規定を守り、輪島市内で製造された正統派の輪島塗箸です。
天然木を素地に、輪島特産の地の粉を下地として用い、天然漆のみで仕上げています。
堅牢で修復性にも優れ、使い込むほどに手になじむため、長く愛用したい方や大切な方への贈り物に最適です。
選び方の目安
- わじま箸:カジュアルなお土産・日常使いに
- 輪島うるし箸:漆の心地よさを楽しみたい方、贈り物に
- 輪島塗箸:一生ものの贈り物に
塗箸の主な技法
輪島箸の魅力のひとつが、表情豊かな装飾と、それを支える伝統技法です。
ここでは、箸のデザインや使い心地に関わる主な技法をご紹介します。

乾漆(かんしつ)
箸の表面に乾漆粉を蒔き、その後表面を研ぐことで、適度なざらつきを持たせます。
これにより食材が滑りにくくなり、実用性が向上するほか、傷みやすい箸先の補強にもなります。
見た目の変化だけでなく、使い心地を高めるための実用的な技法です。


蒔絵(まきえ)
蒔絵は、箸の表面に漆で絵や文様を描き、漆が乾かないうちに金粉や銀粉を蒔いて定着させる装飾技法です。
漆が接着剤の役割を果たし、金属粉が表面に固定されることで、華やかで奥行きのある表現が生まれます。
文様の細かさや粉の種類によって印象が大きく変わり、装飾性の高い箸に仕上がるのが特徴です。


重ね塗り - 堆朱(ついしゅ)
堆朱は、色の異なる漆を幾重にも塗り重ね、厚みのある漆層を作った後、その層を彫刻刀で彫り出す漆工芸技法です。
十分な厚みを持たせるため、長い時間をかけて何層にも塗り重ね、乾燥と研磨を繰り返します。
その後、丁寧に彫り出すことで、層の重なりによる独特の模様が浮かび上がります。
漆層が厚いため、耐久性に優れ、長く使えるのも大きな特徴です。


留塗(ためぬり)
溜塗は、色漆で下塗りをした上に、透き漆という透明な漆を重ねて仕上げる技法です。
透き漆は乾燥・硬化するにつれて透明度が増し、下地の色が透けることで、深みのあるしっとりとした光沢が生まれます。
塗りたてはやや落ち着いた色合いですが、時間の経過とともに透明感が増し、赤や朱など下地の色が次第に鮮やかに浮かび上がってきます。
使い続ける中で変化する表情も、溜塗ならではの魅力です。


沈金(ちんきん)
沈金は、箸の表面に沈金ノミと呼ばれる専用の道具で文様を彫り込み、その溝に漆を塗ります。
漆が乾く前に金箔や金粉を押し込むことで、彫り跡に沿って文様を表現する技法です。
彫りによる立体感と金の輝きが組み合わさり、落ち着きのある上品な装飾が生まれます。
控えめながらも存在感のある仕上がりが特徴です。


